「最近どうですか」に困らないための診察前の準備

心療内科や精神科の診察で「最近どうですか?」と聞かれ、うまく答えられなかった経験がある方は多いのではないでしょうか。

これは話すのが苦手だからではありません。その場で1〜2週間分の記憶をまとめて言葉にするのが、そもそも難しいからです。この記事では、診察前にできる準備の考え方を整理します。

なぜその場でうまく話せないのか

診察室では、限られた時間の中で最近の状態を思い出しながら話す必要があります。しかし人の記憶は、直近の出来事や強く印象に残った日に引っ張られやすく、平均的な状態を正確に思い出すのは意外と難しいものです。

調子の良かった日を忘れて悪かった日ばかり話してしまったり、逆に「今日は調子が良いから」とその日の気分で全体を語ってしまったりすることもあります。結果として、医師に伝わる情報と実際の状態にずれが生じます。

診察前にメモしておきたい3つの観点

うまく話せないと感じる方には、診察の前に次の3つをメモしておくことをおすすめします。

  1. 気分や体調の波があった日:良かった日・悪かった日をそれぞれ1〜2日思い出せると、平均像だけでなく波の大きさが伝わります。
  2. 変化のきっかけになりそうな出来事:仕事の繁忙期、対人関係の出来事、生活リズムの変化など。因果関係を断定する必要はなく、「時期が重なっている」ことをメモするだけで十分です。
  3. 今回の診察で聞きたいこと・困っていること:症状の説明で時間が終わってしまい、本当に聞きたかったことを聞けなかった、という状況を防げます。

記録があると準備がぐっと楽になる

この3つを診察の直前に思い出そうとするのは大変ですが、日々の記録があれば、振り返るだけで済みます。

「良い・普通・悪い」のような簡単な記録でも、2週間分並べれば波があった日はすぐに見つかります。日記のように文章で書く必要はありません。

診察準備のための道具

紙のメモでも構いませんが、日々の記録から診察直前に振り返るには、記録を一覧・グラフで見返せる道具があると準備の負担が減ります。

iPhoneをお使いであれば、気分や元気度を選ぶだけで記録でき、AIが記録をまとめて診察用のメモを作ってくれる「こころメモ」というアプリがあります。記録した内容をもとに、伝えたいことを整理した状態で診察に臨めます。